大河ドラマ『光る君へ』、映画『国宝』、そしてNHK連続テレビ小説『風、薫る』など、話題作への出演が続く俳優・見上愛(みかみ あい)さん。
今では主演級の俳優として知られていますが、実は最初から俳優を目指していたわけではありません。
「見上愛が俳優になったきっかけは?」
「スカウトされたって本当?」
「もともとは演出家志望だった?」
「どうやって朝ドラ主演までたどり着いたの?」
と気になっている人も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、見上愛さんはもともと演出家志望でした。
演出をするために「演技についても知っておいたほうがいい」と考えて演技を学び始めたところ、事務所から声をかけられ、思いがけず俳優の道へ。
2019年にデビューすると、『恋はつづくよどこまでも』『きれいのくに』『liar』などを経て、大河ドラマ『光る君へ』、映画『国宝』など話題作へ出演。
そして2026年度前期の朝ドラ『風、薫る』では主人公を演じるまでになりました。
今回は、見上愛さんが俳優になったきっかけから、朝ドラ主演までの道のりを詳しく紹介します。

結論|見上愛は「演出家になるため」に演技を始めた
見上愛さんが俳優になった経緯は少し珍しいものです。
簡単にまとめると、
中学2年生で舞台にハマる
↓
高校で演劇部に入る
↓
脚本・演出を経験
↓
演出家を目指す
↓
演出のために演技も勉強する
↓
養成所に通う
↓
事務所から声をかけられる
↓
俳優のオーディションを受ける
↓
2019年にデビュー
という流れでした。
つまり、
「俳優になりたいから演技を習った」
というより、
「演出家になるために演技も知っておこうと思ったら、俳優になった」
という経歴なのです。
本人も過去のインタビューで、
「俳優になろうと思ったきっかけ自体は、未だになくて」
と語っています。
中学2年生で舞台にハマる
見上愛さんが演劇の世界に興味を持ったのは、中学2年生のころです。
家族に連れられて舞台を観たことをきっかけに、観劇に夢中になりました。
本人が初めて観た作品として挙げているのが、2014年の舞台『私のホストちゃん』。
いわゆる2.5次元作品でした。
現在の見上愛さんから考えると、「最初から映画や古典演劇が好きだったのかな?」と思うかもしれませんが、演劇への入口は意外にもエンターテインメント性の強い舞台だったのです。
そして観劇を重ねるうちに、
「演劇に関係する仕事がしたい」
と考えるようになります。
ただし、この段階でも「俳優になりたい」と思っていたわけではありませんでした。
最初に憧れていたのは「照明」
さらに意外なのが、見上愛さんが当初興味を持っていたのは舞台照明だったことです。
2025年のVOGUE JAPANのインタビューでも、大学では演出を学んだものの「役者をやりたいと思ったことは一度もなく」、最初は照明スタッフに憧れていたと振り返っています。
つまり見上愛さんは、
舞台を見る人
↓
舞台を裏側から作る人
↓
演出する人
↓
演じる人
という順番で演劇との関わり方が変わっていったことになります。
現在はカメラの前に立つ俳優ですが、原点は一貫して「作品を作ること」にあったようです。
高校で演劇部へ転部
中学時代からハンドボール部に所属していた見上愛さんですが、高校1年生の途中で演劇部へ転部します。
そこで見上愛さんの人生を大きく変える経験が待っていました。
演劇部にはすでに、
「照明担当」
「男役」
「この仕事をする人」
といった役割分担がある程度できていたそうです。
途中から入部した見上愛さんに残っていたのが、
脚本と演出
でした。
そこで演出を担当するようになったことから、次第に
「演出家になりたい」
と思うようになります。
偶然空いていた役割を担当したことが、後の大学進学や芸能活動につながったわけです。
大学でも演出を専門的に学ぶ
高校で演出に興味を持った見上愛さんは、大学でも演劇を学びます。
進学したのは日本大学芸術学部演劇学科。
いわゆる「日藝」です。
ここでも俳優になるためではなく、演出について学ぶことが目的でした。
大学では脚本の読み方なども学んでおり、見上愛さんは後のインタビューで、この経験が現在の俳優としての仕事にもつながっていると話しています。
脚本を何度も読み、
作品全体のテーマ
物語の流れ
自分の役の位置づけ
などを考えてから演技を組み立てるのが、見上愛さんのスタイルなのだそうです。
演出家になるために演技を勉強
そして、見上愛さんの人生を大きく変えたのが演技の勉強でした。
演出家を目指していた見上愛さんは周囲から、
「演出をするなら演技もやったほうがいい」
といったアドバイスを受けます。
そこでワタナベエンターテインメントの養成所へ。
目的はあくまで、
演出をするために、演じる側のことも知っておく
というものでした。
ところが、ここから予想外の展開になります。
事務所から声をかけられたことが転機に
養成所に通っていた見上愛さんに、事務所側から声がかかります。
本人は2025年の『アナザースカイ』でも当時について振り返っています。
大学1年生のころに事務所から所属を持ちかけられた際、マネージャーから事務所には演出家もいるという趣旨の話を聞いたそうです。
演出家志望だった見上愛さんは、
「ここに入れば演出家になれるのかも」
と考えたのだとか。
ところが所属すると、待っていたのは俳優のオーディションでした。
気づけば役者のオーディションへ行くようになり、「あれ?演出家じゃない?」と思ったことを、後に本人もユーモラスに振り返っています。
2019年に俳優デビュー
こうして見上愛さんは2019年に俳優デビューします。
しかし、デビューした瞬間から現在のような大型作品に出演していたわけではありません。
初期には、自主制作映画など比較的小規模な現場にも参加しました。
見上愛さんは後に、この時期の経験が非常に大きかったと振り返っています。
スタッフが10人いるかいないかという現場で、一人のスタッフが美術や助監督、ADなど複数の仕事を担当することもあったそうです。
そこで、
「一人ひとりの力で一つの作品が作られている」
ことを実感。
自分自身も「根本的にものづくりが好きなんだ」と改めて感じたと語っています。
俳優という仕事を始めても、原点にある「作品を作ることへの興味」は変わらなかったようです。
『恋はつづくよどこまでも』などに出演
2020年には、TBSドラマ**『恋はつづくよどこまでも』**に出演。
さらに同年、
『MIU404』
映画『星の子』
などにも出演し、映像作品で少しずつ経験を積んでいきます。
現在の出演歴から見るとデビュー直後の作品ですが、テレビドラマや映画への出演が増え始めた重要な時期でした。
『きれいのくに』で存在感を高める
2021年にはNHKドラマ**『きれいのくに』**に出演。
さらに映画では、
『キャラクター』
『プリテンダーズ』
『衝動』
などに出演します。
『衝動』では倉悠貴さんとW主演。
デビューから数年で主演作品も経験するようになり、俳優としての存在感を高めていきました。
『liar』でドラマW主演
2022年にはドラマ**『liar』**で佐藤大樹さんとW主演。
さらに、
『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』
WOWOW『両刃の斧』
などにも出演しました。
映像作品だけでなく、舞台『ツダマンの世界』にも出演。
もともと舞台演出に興味を持ったことから始まった見上愛さんが、俳優として舞台に立つようになったことも興味深いところです。
2024年『光る君へ』藤原彰子役
見上愛さんの知名度をさらに高めた作品のひとつが、2024年のNHK大河ドラマ**『光る君へ』**です。
演じたのは藤原彰子。
藤原道長の娘で、一条天皇の中宮となる重要人物です。
物語序盤では感情をあまり表に出さない少女として登場しますが、さまざまな経験を経て変化していく人物。
静かな表情の中で心情を表現する見上愛さんの演技が注目されました。
Netflix『恋愛バトルロワイヤル』で主演
同じ2024年には、Netflixシリーズ**『恋愛バトルロワイヤル』**で主演。
有沢唯千花役を演じました。
さらに、
『春になったら』
『Re:リベンジ-欲望の果てに-』
『ゲームの名は誘拐』
『マイダイアリー』
などにも出演。
2024年から2025年にかけては多数のドラマへの出演が続き、作品によってまったく違う役柄を演じる俳優として注目度を高めていきます。
2025年『国宝』藤駒役
2025年には映画**『国宝』**に出演。
見上愛さんが演じたのは藤駒です。
芸妓という役柄を演じるため、三味線や日本舞踊などにも取り組みました。
演技だけではなく、作品ごとに必要な技術を身につけて役を作っていく姿勢も、見上愛さんの特徴のひとつでしょう。
2025年は『かくかくしかじか』などにも出演し、映画でも存在感を強めていきました。
そして朝ドラ『風、薫る』の主人公へ
そして見上愛さんのキャリアにおける大きな節目となったのが、NHK連続テレビ小説**『風、薫る』**です。
見上愛さんは主人公の一人、一ノ瀬りんを演じています。
中学2年生のときに舞台を観て、
「演劇に関係する仕事がしたい」
と思った少女が、
高校で脚本・演出を経験し、
大学で演出を学び、
思いがけず俳優になり、
大河ドラマを経て、
朝ドラの主人公へ。
こうして振り返ると、最初から朝ドラ主演を目標に一直線で進んできたわけではないことが分かります。
見上愛のデビューから朝ドラまでを時系列で整理
見上愛さんの歩みを簡単に整理すると、次のようになります。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 中学2年 | 観劇にハマる |
| 高校1年 | 演劇部へ転部 |
| 高校時代 | 脚本・演出を経験 |
| 高校~大学 | 演技を学ぶ |
| 大学 | 日本大学芸術学部で演出を専攻 |
| 2019年 | 俳優デビュー |
| 2020年 | 『恋はつづくよどこまでも』などに出演 |
| 2021年 | 『きれいのくに』『衝動』など |
| 2022年 | 『liar』W主演 |
| 2024年 | 大河『光る君へ』・『恋愛バトルロワイヤル』主演 |
| 2025年 | 映画『国宝』『かくかくしかじか』など |
| 2026年 | 朝ドラ『風、薫る』主人公 |
デビューは2019年なので、朝ドラ主演まで約7年。
その間にドラマ、映画、舞台、配信作品など、さまざまな現場を経験してきました。
演出の勉強は現在の演技にも生きている
見上愛さんの経歴で特に注目したいのが、演出を学んだ経験が現在も生きていることです。
見上愛さんは、脚本を繰り返し読み、
作品全体のテーマや流れを考え、そこから逆算して自分のシーンの演技を考える
という方法についてインタビューで語っています。
これは「自分の役だけを見る」というより、作品全体を俯瞰して考える方法です。
もともと演出家を目指して脚本の読み方を学んだ経験が、結果的に俳優としての役作りにもつながっているのでしょう。
演出家になる夢はなくなった?
では、俳優として成功した現在、演出家になる夢はなくなったのでしょうか。
実は、そうではないようです。
見上愛さんは2025年のインタビューで、現在は俳優の仕事がとても楽しく、演出を片手間にすることはできないとしながらも、勉強を続け、
いつか「ここぞ」というタイミングで挑戦したい
という思いを語っています。
つまり俳優になったことで、演出への興味を捨てたわけではありません。
現在も、
演じる側
作品を見る側
作る側
という複数の視点を持ち続けているようです。
見上愛が俳優になったきっかけまとめ
見上愛さんが俳優になったきっかけをたどると、一般的な「子どものころから女優に憧れていた」という経歴とはかなり異なります。
中学2年生で舞台を観たことから演劇に興味を持ち、高校では演劇部へ。
脚本や演出を担当するうちに演出家を目指し、大学でも演出について学びました。
そして、
「演出家になるなら演技も知っておいたほうがいい」
という考えから演技を学び始めたことが、思いがけず俳優への入口になります。
養成所から事務所との縁が生まれ、2019年にデビュー。
自主制作映画などの現場から経験を積み、『恋はつづくよどこまでも』『きれいのくに』『liar』などへ出演します。
さらに大河ドラマ『光る君へ』、Netflix『恋愛バトルロワイヤル』、映画『国宝』などを経て、2026年には朝ドラ『風、薫る』の主人公へ。
演出家を目指して始めた演技が、結果として俳優としての道を開いたというのが、見上愛さんのキャリアの大きな特徴です。
そして現在も、その原点にある「ものづくりが好き」という気持ちは変わっていないようです。
朝ドラ主演を経た先で、いつか見上愛さんが「演じる側」だけでなく「演出する側」に回る日が来るのかにも注目したいですね。
参考情報
・テレビ朝日 logirl「演出家志望だった見上愛。女優としての転機と葛藤」
・VOGUE JAPAN「見上愛──『“いい人間”にはなりたい。その言葉が今後の指針です』」
・Oggi「じっくり脚本と向き合って、準備をするのが、私のやり方」
・日本テレビ『アナザースカイ』見上愛出演回
・NHK連続テレビ小説『風、薫る』関連情報


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